風が強く吹いている / 三浦しをん

風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)

• 作者: 三浦 しをん
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 2009/06/27
• メディア: 文庫

致命的な故障でエリートランナーへの道を諦めたハイジと、ある事件から走る場を追われた天才ランナー・カケル。ハイジはカケルこそが、秘かに温めていた計画の切り札だと確信、壮大な夢への第一歩を踏み出す。それは同じ寮で共同生活を送る8人のメンバーと学生長距離界最大の華＜箱根駅伝＞出場を目指すこと――。(YouTubeより引用)


年に一度だけですが会社の有志でユルい駅伝に出たりもしており、その先輩の勧めで読んでみました。漫画化・映画化もされているので、もとからメディアミックスを意識した作品なのかと初めは穿った見方もしてしまいましたが、読み始めると、どんどん引き込まれていきました。

素人集団で箱根駅伝出場を目指し、そしてそれを実現させてしまう。現実にはありえない言わばファンタジーですが、そこに至るまでのプロセス、登場人物の葛藤や友情、描かれるひとつひとつが瑞々しく、それらの光景が目に浮かんできます。作者自身が大学の陸上部を何度も取材したためかフィクションながらもリアリティがあり、特に情景描写や心情の描き方が優れていて、女性らしい細やかな文章に作者の誠実さが現れています。
走る者の端くれとして、魂を揺さぶられる一冊です。


この作品全体に共通する世界観を端的に表していると思われる台詞が心に残っています。

「独りじゃタスキはつなげられないからなぁ... 」




原作に忠実かどうかはまだ判りませんが、恐らく映画も観てしまいそうです。

コメント 7

箱根駅伝ファンです。
素敵な作品ですね！読んでみたいです。
by kummy (2009-10-23 13:42) 

shinさん、あんれにさん、こうちゃんさん、xml_xslさん、
piattopiattoさん、ブラザーボブかきもとさん、HALさん、
c-yukky_zさん、c_yuhkiさん、mituさん、takemoviesさん、
＋kさん、pandanさん、今造ROWINGTEAMさん、いっぷくさん、
sakさん、ほりけんさん、kaznさん、pianoさん、うっしーさん、
niceありがとうございます。

kummyさん、nice&コメントありがとうございます。
小説、是非お読み下さいね。
ランナーの方も、そうでない方も、”走る”ということは
単なる競争ではないということを感じられると思います。
by nexus_6 (2009-10-24 08:50) 

漢さん、ぷーちゃんさん、DEBDYLANさん、pi-roさん、cheeさん、
niceありがとうございます。
by nexus_6 (2009-10-25 22:14) 

年末年始のテレビは箱根駅伝だけが唯一の楽しみです。
ご紹介の映画も観てみようかな。
by 丹下段平 (2009-10-28 01:31) 

釣られクマさん、なちゃさん、kakasisannpoさん、広島ピアノさん、
niceありがとうございます。

丹下段平さん、nice&コメントありがとうございます。
駅伝というのは、すごく日本的なスポーツだと思います。
by nexus_6 (2009-10-28 12:46) 

COYOTEさん、niceありがとうございます。
by nexus_6 (2009-10-28 23:42) 

nekotaroさん、niceありがとうございます。
by nexus_6 (2009-11-07 17:00)