海洋地形学の物語 (Tales From Topographic Oceans) / Yes [Progressive Rock]
数ヶ月間放置しており、申し訳ございません。
夏によく聴くアルバム、Yes の「海洋地形学の物語 (Tales From Topographic Oceans) 」('74年リリース)を取り上げます。
来日公演で東京に滞在していた時、ジョン・アンダーソンが、ホテルの自室で読んだヒンドゥー教の経典 (パラマハンサ・ヨガナンダ著「あるヨギの自叙伝」(森北出版))からヒントを得て、ツアー中にスティーヴ・ハウとの共同作業で構想をまとめたといわれています。その歌詞は難解極まりなく、且つ曲も LP 2 枚組で 4曲(つまり片面1曲 x 4)というとんでもない構成です。
「こわれもの」「危機」というロックの、否、音楽の金字塔とでも言うべき大ヒットアルバムで飛ぶ鳥も落とす勢いだった彼らだからこそ製作、リリースに至った訳ですが、発表当時は「ジョン・アンダーソンとスティーブ・ハウの暴走」「無駄に長い」「誰も止める奴は居なかったのか」「削りようはあった筈」「1曲目と4曲目だけでよい」と、散々で、なかなか正当な評価が得られませんでした。
実際にはこれだけ長い時間の中にはそれなりにふんだんにいろんなアイデアが詰め込まれているのですから、珠玉のフレーズは各所に散りばめられており、例えば
1曲目 The Revealing Science of God の中盤の歌 (歌詞:The move fast, they tell me, But I just can't believe they really mean to... ) とギターのハーモニクス、メロトロンが醸し出す世界(この辺は、あたかも海の底から揺らぐ陽の光を見上げるような感じ)、一転して激しくなる後半のシンセソロ(Mini Moog)、
3曲目 The Ancient Giants Under the Sun 後半のアコースティックギター、ボリュームコントロールを利かせた繊細なシンセストリングス、
4曲目 The Ritual Nous Sommes Du Soleil ラストの素朴な歌とピアノ(故郷の空のもと、微風に吹かれて佇んでいるような感じ) etc. 聴きどころ満載です。
近年、リマスターCDの再発等で本作への再評価は高まっており、各所で「聴き手も成長する」という意味合いの見解を聞くことも多くなりました。
それだけでなく、本作に不満を示し、ついには脱退したキーボーディストのリック・ウェイクマン(ライブ中に手が空いた時間にカレーを食べていたという噂もあった)ですら、再加入後のライブで「当時より上手く弾けるようになった」と、曲への愛情が芽生えたともとれる発言をしています。聴き手だけではなく、「弾き手も成長する」のですね。
私は東海道新幹線で浜松から新横浜まで移動するときに、これをよく iPod で聴いています。
4曲目が終わる頃には、心も穏やかになっております。
1曲目前半:
1曲目後半:
2曲目前半:
2曲目後半:
3曲目前半:
3曲目後半:
4曲目前半:
4曲目後半:
タグ:YES
こわれもの・危機があっての、このアルバムですよね~
とんでもない作品だと思います^^
by Bin (2010-08-08 10:16)
LPで2枚組。
しかも各面1曲ずつでしたもんね。
by ぷーちゃん (2010-08-08 13:17)
おひさしぶりです。お変わりありませんか?
YES はあまり聴いたことないんです。貼っていただいたのを聴くと、
なんとなくオラトリオみたいな感じもしますね。
興味がわきました。今度全曲聴いてみます。 ^^
by moz (2010-08-16 06:59)
ろひさん、mituさん、xml_xslさん、rebeccaさん、ぼんぼちぼちぼちさん、雨香さん、dorobouhigeさん、kummyさん、今造ROWINGTEAMさん、丹下段平さん、よーじっくさん、
niceありがとうございます。
Binさん、
ぷーちゃんさん、
mozさん、
nice&コメントありがとうございます。
長い作品ではありますが、気持ちに余裕をもって聴くと
いろんな魅力が見えてきます(長い年月も要しますが)。
そういう意味ではもはやクラシックですね。
by nexus_6 (2010-08-16 07:37)
お帰りなさいませ。
by kazn (2010-09-13 19:53)
kaznさん、nice&コメントありがとうございます。
暫く旅(?)に出ておりました。また暫く... ^^;
by nexus_6 (2010-11-23 15:56)